テキストサイズ

身代わり妹

第16章 【プレゼント】第一章・宝物

ピンポーン
玄関チャイムの音が響いた。


「あ、瀧川のじいじっちだ」

優太が嬉しそうに玄関へ走れば、その後ろを凛が負けじと走っていく。


「待って待って」

優太と凛の後ろを、由美さんも楽しそうに走って行った。



チュッ
突然頬に触れた柔らかいもの。

「凌太⁈ 」

チュッ

驚いて凌太を振り返った私。
今度はその唇に、凌太の唇が触れた。



「美優…優太と凛と煌太を産んでくれてありがとう。俺の奥さんになる為に生まれてきてくれて、ありがとう」


私の大好きな、優しい凌太の笑顔。

凌太はいつも私が欲しい言葉を掛けてくれるんだね。


”私の子供として生まれてきてくれてありがとう”

私もお母さんにそう言って欲しかった。

ううん…今でも…お母さんがそう言ってくれるのを期待してる。

叶わない私の願いを、凌太の言葉で叶えてくれるんだ。



「私の方こそありがとう」

両手は煌太の抱っこで塞がっているから、私は背伸びして、凌太の頬に唇を寄せた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ