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僕らのために

第1章 プロローグ

「モテなかったなんて言ってないだろ」
「えー、だって前お母さんがライバルがいないから楽だったって言ってたよ」
全く。なついてくれていても、父親というのは影ではひどい言われようなようだ。
「やれやれ。ま、それはいいだろ、話すぞ。お父さんがお前より一歳上、つまり高校二年生の時の話だ」
「相手は?」
「同じ部の一つ年上の先輩」
「どんな人?」
「そうだな、背が特別高かったわけじゃないんだが、手足が長くて綺麗で、スラッとした印象だったな。髪は短かった。性格はちょっと変わってたけど…これは話を聞いてもらったほうがいいな。」
由紀は頷いた。

※ここで、読者の諸君には、ストーリーテイラーを『私』から『僕』に変えさせていただく。そのほうが私がこの小説で書きたいテーマが伝わると思うからだ。

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