隣り合わせの関係
第2章 その男
一気に顔に熱が帯びる
なんでこんな
恥ずかしいセリフ
言えるんだろ…
真っ赤になった顔を
腕で隠す
―グイッ…
背中に腕を回され
抱き締められながら
ベッドに座らせられると
ジルは真剣な顔をして私を見た
「由衣…
俺はこことは違う
別の世界から来たんだ…」
『……知ってます…』
「は……?」
『私、数日前からジルのこと
見えてたんです…』
私は、本当のことを言うことにした
「…どういうことだ……?」
少し苛立ったようにジルが聞く
『えと…今みたいにはっきりと…じゃなくてうっすらとですけど……ジルがこの場所で
動いているのが見えてたんです…』
「……」
『ごめんなさい!!
見るつもりはなくてっ!
でも、着替えてるところとか
見たわけじゃなくて…
ドアから出ていく所とか…
そこで消えたけど……』
「いや…別に……
着替えは見られても良いけど…
ドアからとは、
おまえの部屋のドアから俺は消えたのか?」