隣り合わせの関係
第4章 闇の住人の生態
人間を助けるために
罪人になったジル…
私はしばらく
話すことができなかった
「こんな話をしてすまない…
でも、指輪を預けておく上で…
いや、お前には話しておきたかった…」
下を向いているため
ジルの表情は見えない
隣の黒い影が
とても小さくか弱いものに見えて思わず
横からそっとジルを抱き締めた
「…!?
何を…?」
『…//
ごめんなさい…!!
でも、
下を向いている時には
抱き締めてあげると
人は元気になるって…
お母さんが……』
バッと手を放して
うつむきいた…
ほんっと何してるんだろう…
いきなり抱き締めるなんて
―…ギュッ…
『……!?』
突然
ホワイトムスクの香りに包まれ
体が熱くなる
「由衣も下を向いてる
元気になったか…?」
ジルの甘い吐息が
かかるくらいの距離で囁かれ
体の力が抜けていく
『あの…恥ずかしい…少し…
あとなんか…体に力が入らない…』