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愛されたくて

第1章 大好きだったのに

翌日も、翌々日も私と慎司は愛の時間を・・・というわけにもいかなかった。

慎司は私と違って交友関係も広く、定期的に塾にも通っていたので毎日一緒に過ごすことはできなかった。

「寂しいなぁ・・・せめて、ケータイがあればなー・・・」

一人自室のベッドで仰向けになりながら呟いた。

私は携帯電話を持ったことが無かった。あの父親が買い与えてくれるわけがなかった。

携帯電話さえあれば毎日会えなくとも連絡はとれる。

毎週観ているトレンディドラマで、恋人同士が携帯電話の通話でイチャイチャしているシーンには密かに憧れていた。

「ケータイを買おう。」

私は決意した。
そのためにはお金が必要だった。

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