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甘い蜜の―――……虜。

第2章 初めての一人暮らし。

―――パタン。


ドアを閉めて、部屋を見渡す。

対して家具もない、シンプルな部屋。


秋山さんは一通り説明し終えて自分の部屋に戻っていた。


靴を雑に脱ぎ捨てて、広いとは言い難い部屋の中心に寝っ転がる。


「んんんーっ……」


大きく息を吸って、


「―――っしゃぁぁぁ!!!」


思い切り、叫んだ。


寝転んだまま部屋中を見渡す。


広くも狭くもない部屋。


今の俺には、十分すぎる世界だった。


―――ガバッ。


起き上がって、その場に座る。


そういや、隣に挨拶しろって言ってたっけ。秋山さん。


面倒だけど……挨拶すんのは、当たり前だしなぁ……。



「んじゃあ……行こうかな……
挨拶」

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