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甘い蜜の―――……虜。

第2章 初めての一人暮らし。

―――コンコン。


扉をノックする。


まずは205号室から挨拶に行くことにした。


「……?」


しかし、返事は返ってこなかった。


留守かな?


ドアノブに手をかけて回すと、


―――ガチャッ。


「どわっっっ!!」


扉が、開いた。


「あ……開いてんじゃねぇかよ……」


鍵、閉め忘れたのかよ?
無用心だな。


ちらっと部屋の中を覗くと、靴が揃えられていた。


何だよ……いんのかよ?

シカトとか、最低じゃねぇかよ!


……ガタガタ……


部屋の置くから、微かに物音が響いた。


「おい、誰かいんのかよ!!
シカトしてんじゃねぇぞ、テメエ!!」


返事はなく、俺の声だけが虚しく響く。


何なんだよ……折角人が挨拶しに来たっていうのに。


部屋の中に入り、もう1度叫ぶ。


「おい、誰かいんだろ!?
さっさと顔出せよ!!」


「……うるさいな……

誰だよ、お前……」

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