それでもきっと
第2章 にんじん
こじんまりとした小さな部屋。
ベットと円卓、テレビが同じ部屋に置かれていた。
残りは風呂場とキッチンか、
適当にベットに腰掛けると遅れて黒兎も俺の横に座った。
『何で来たの』
そう書かれた紙を目の前に出された。
「お前名前は?」
見当はずれ、おまけに質問を繰り出すと黒兎は目を丸くした。
『シノ』
『質問に答えて』
返事を催促しながらもきちんと俺の質問に答えた。
「シノ、ね」
名前を呼んだところでふっと息を吐く、そして息を長く吸いシノの顔にDVDを押し付けた。
「頼む!超絶可愛い女の子紹介してくれ!」
しかし目の前に来た紙には
『嫌だ そもそもこの辺に女の子はいない』
と、予想の斜め上の回答が記されていた。