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それでもきっと

第1章 油揚げ


「俺らの群れ一番のイケメン様に兎なんざ紹介してやるな」


意地悪そうにニタリと笑うそいつは俺の幼なじみ。


「アキは喋れない兎のメスより、よく鳴く狐の方が好きだもんな?」


アキ、と親しげに俺の名前を呼び反応に困る話題を振ってきた。

少々棘があるようにも思える。


棘がある原因がないと言えば嘘になるが。


「黙ってるのもいいぞ〜それに何より万年発情期だからな」

俺が幼なじみに冷たい視線を送っているなか、この友人は空気も読まずにまだ兎を薦めていた。

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