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それでもきっと

第1章 油揚げ



埒があかないうえに俺に敵対心を向ける奴と明らかに発情している奴に挟まれ正直ここに留まりたくない。


そう思った俺は飯の調達に行くとちょろまかし、その場から走り立ち去った。

あいつらが追ってこないようにと普段は通らない道を進んでいった。

しばらく歩くと、いい匂いが漂うこじんまりとした家に行き当たった。


「油揚げあれば貰って行くか」


この区域は恐らく狐とは別の動物のものだろう。
正面から訪ねりゃ間違いなく仲間を呼ばれて終わりだ。

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