天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第10章 ~久しぶりの学校~
シレッと凛音はしているから、本当に厭らしい気持ちでしてる訳じゃないのだろうが。
なんと言うか……コートに隠れて見えないが、この密着する柔らかな肉付き、包み込まれるような感触。
明らかに絶対領域に俺は手を入れている。
こんな所に手を入れていたら俺が厭らしい気持ちになってしまう。
思わず手を這いたくなる気持ちよさ、しっかりと挟まれて動かせないのが残念なくらいだ。
寒さの中に感じる暖かさというのは幸せにも通じる。
朝の抑えた欲が時間差で沸々と蘇ってくる。
「凛音……頬、赤いな寒くない?」
凛音の肩口から俺は冷たい風に晒されている頬に髪越しに擦り寄る。