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天然小悪魔な妹とヘタレな俺

第12章 ~いもうと~



「子供たちよりもわたしたちのほうが寂しがってるみたいね」

 ふふっと、ほんのり切なげにされど優しく母さんは笑う。

 
「慎之介、すまないな……ワタシが不甲斐ないばかりに」

「そんなこと言わないでくれよ」


 父親の姿を見ると遺伝をヒシヒシ感じる。

 俺も自分を責めている。大切な家族だと思っているのに……裏切ってしまった事に。


 そういう性分なんだ。

 負い目はあるのに気持を抑えることはもう出来ない。


 だから……早く、自立したくなる。
 何も出来ないくせに……気持ちだけがはやってしまう。


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