天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第13章 ~ヤキモチ~
新年会には社長のはからいで、家族や友人、知り合いも呼んでいいらしい。
ヒカルの思惑通りになったのは納得したくないが、実際凛音と一緒に堂々と公共の場で遊べる環境は限られる。
あまり、凛音を遊びに連れて行ってやれないことを考えればいい機会だった。
ヒカルの下心はともかく、悪友は女性の気持ちを大事にするタイプだ。
兄を慕う凛音を、偏見の眼で見ることも無い。むしろ、受け入れてる。
悪い言い方をすれば、それを利用してるんだが。
ヒカルが誘わなかったら俺も連れて来なかっただろう。それを考えれば……
しかし、アイツの下心を知ってるだけにやっぱり……ムカつく。
素直に感謝などする気になれないのは、俺の心が狭いのだろうか。