
天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第13章 ~ヤキモチ~
「親睦も深まったところで、先に腹ごしらえしないか」
深まったのか?
そんな俺の疑問をよそに、ヒカルは立ち上がる。
「へぇ、食べるところもあるんだ」
「新年会だからな特別に設置したんだ。勿論無料だよ」
促されるように俺たちも立ち上がり、ヒカルと御剣の後ろをついて行く。
「お兄ちゃん……御剣先輩に動揺したでしょ」
「仕方ないだろ……」
前を歩くふたりに聞こえない程度のボソリとした声で凛音は話す。
「女性に興味ないとか言ってたくせに、お兄ちゃんのエッチ」
凛音はご立腹の様子。
興味とかの問題じゃないんだけど、男の悲しい性を凛音に言ってもわかんないだろうしな。
