
天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第13章 ~ヤキモチ~
「ハイっ、凜音ちゃん。これも食べてみる?」
ヒカルは同じくクレープを差し出す。
しまった……そういう狙いだったのか。
肯定して、あたかもそれが自然な流れになっている。
当然、天然な凜音は気づくわけもなく、ヒカルの突き出したクレープをハムっとかじった。
「凜音ちゃん。生クリームついちゃったね。遠慮がちに食べたからかな」
「え……」
「ホラ、ここ」
「あ……」
ヒカルは凛音の唇に指で触れクリームをすくいそれを舐めた。
「あなたたちも大概仲いいのね。桜井くんわたしのも食べる?」
なんだこの流れ……
「いや、いい」
「つれないな、桜井くんは」
