天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第13章 ~ヤキモチ~
「おい、御剣何を……」
「ふぁっ、んぅ」
艶かしい声、コレは……ダメだろ。
俺は凛音を奪うように抱き寄せ、御剣から放した。
凛音は、はふぅはふぅと呼吸を正しながら俺にしがみついた。
「やだな、桜井くん。そんな怒った顔しないでよ。マッサージしてただけよ? 凛音ちゃんって感じやすいのね」
それは俺もよく知っている。
じゃなくてっ────
女性同士、御剣も悪気があったわけじゃないだろうが……凛音の声をヒカルに訊かせたくない。
俺のつまらない嫉妬なんだ。
楽しい雰囲気を壊し、空気の読めない男だと思われても譲れないことはある。