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天然小悪魔な妹とヘタレな俺

第1章 ~お兄ちゃん~


 妹は躊躇することなく今俺が食べたフォークでケーキをすくい、プルンとした果実のような唇で摘む。

 もごもごと食べコクンっと呑み込む。

「んぅ……っ! 美味しい。うん、我ながらいいでき」

 凛音はフォークを持った手を揺らしながら瞳をきゅっと閉じケーキを堪能したようだ。



「凛音、口にクリームついてる」

「えっ、どこ? お兄ちゃん、とって?」

 んっ、と凛音は顎を少しあげ、俺に唇を向ける。

 そして、何故か瞳を閉じていた。



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