天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第1章 ~お兄ちゃん~
凛音はやや不安そうな表情を見せる。
ほんと、可愛い……な。
「全然、お前小さいからな」
「う……人が気にしてることを」
凛音は年の割に小さい。
そこが可愛いんだけど、どうやら本人は気にしてるらしい。
「お兄ちゃんがきっと私の身長をとったんだ」
俺は、妹が言うほど高くもないが、小さい凛音からしてみればそう見えるのかも。
「違う……お前の成長は……俺のせいじゃない」
「わかってるよ……」
ぐいっと、凛音は拗ねながら身体を密着させ、抱きついてくる。
凛音の成長は……そこに集中したに違いない。