天然小悪魔な妹とヘタレな俺
第1章 ~お兄ちゃん~
「凛音の前でカッコイイ俺でいたかったから……本当は、情けないぐらいヘタレなのに」
「……気の迷いだと言いたいの?」
「わからない……でも、普通は年頃になるとさ、兄貴なんてウザイとか言うだろ」
俺たち兄妹は仲がいいと、よく言われる。……小さい頃はそれでよかった、だが、ふたりとも、もう高校生だ。
「俺が凛音を好きだから……突き放せなかったんだ……甘えてくる凛音が可愛くて……嬉しかったんだ」
冷静なふりも、ただカッコつけてただけだし……いつの頃からか、いやらしい事でいっぱいになっていた。
「……お兄ちゃん……それ、逆効果だよ?」