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陽が当たらない場所で

第2章 願い事

「あー、そろそろ時間だから

ウチ帰るねー」

「え、琴葉もう帰るの…?」

「今日は親の迎えなんだ〜!」

「そっか、じゃあね」

「もう、そんな悲しそうな顔しないで
じゃあ、また明日ねー!

加奈ちゃーんっ!」


ガラガラ…。

教室の扉が閉まり、
階段を降りていく音が聞こえる。


「…」

教室には、加奈だけ残った。


…悲しい顔?

私、してた…?


あれ。
普通に、バイバイしたのに…


私、悲しい顔してたんだ。
全然わかんなかった。


てか、もうこんなに暗いじゃん!


私も帰ろう。

パチッ
教室の電気を消すと、
いつもの教室なのに、少し寂しく感じた。

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