陽が当たらない場所で
第2章 願い事
涙が止まらない。
辺りが真っ暗になり、
帰り道を独りで加奈は歩いていた。
…なんで?なんで涙が出るの
意味がわかんない
悲しくないのに、
なに、この孤独感は……
どうやったらこの涙を
止められるの…。
ねぇ、なんで…
「あ、加奈!」
ビクッ。
な、なに…?だれ?
「いっつもこんな暗い時間帰ってんの?」
後ろの方から声が聞こえた。
この声、知ってる。
知らないはずがない声。
「健太…」
私の声は、かすかに鼻声だった。
…私、こんなに泣いてたんだ。
そんな事を思ったら急に恥ずかしくなり、
私は、その場から逃げるように走った。
「お、おい!加奈…?!」
遠くから健太の声が聞こえる。