幼馴染
第3章 溢れる想いと怒り
「アメリカにいる間、ずっと思ってた。
お前に別れなんて告げないで、
アメリカに無理にでも
連れてくれば良かったって…」
あまりに切ない顔をして言うものだから、
思わず涙が出そうになった。
「まだ今でも好きなんだ。
……って言われても、藍は困るよなぁ〜」
基成は苦笑いしながら、私にそう言った。
私は唇を噛み締めて、
本来言うはずではなかった言葉を口にした。
「私だって、まだ基成のこと好きよ!
貴方が、アメリカに行ってから
今まで一度も、
貴方を、基成を忘れたことなんてないわ!!」
ありったけの好きと言う想いを込めて、
私はそう告げた。
基成は少し驚いて、
それから私の大好きな笑顔を見せてから
「良かった…」
そう一言告げて、
私の手を
力一杯握った。
お互いの為に。
最善の策を選んだ結果が
別れだった私たち。
今、また。
あの時と同じ時間が流れ始めようとしていた…。