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年下なんて関係ないっ!

第5章 長い長い片思い

そんなこと、言うつもりはなかった。

おばちゃんだなんて、思っていなかった。

同い年の女の子よりも、紗江さんが好きだった。


紗江さんはわずかに目を見開くと、にっこり笑った。

『あたしこそ、願い下げだよ。春樹くんみたいな、子どもは好きになりません』


自分も同じようなことを言ったのは分かっていた。

でも、紗江さんに言われると深く傷ついた。

胸がズキズキした。


自然と高校に行く足も遠のいた。

頭では、分かっていた。

紗江さんとは知り合いとして接すればいいのだと。

でも、まだ、心は彼女を諦めきれていなかった。

会わずにいても、想いは募っていった。

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