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もっとして♡

第6章 マジメ姉ちゃん

彩side

バタン…

はぁっ、はぁっ、はぁっ…。

あたしは勢い良く自分の部屋のドアを閉めた。

そして、ズルズルとそのドアに体重をかけながら座り込んだ。

カタカタカタ…

震えが止まらない。

今まで頑張って忘れようとしてた“あの事”を一気に思い出してしまった。

二年前に起こった最悪な出来事。

それは、あたしに凄く傷を残した。

………二年前。幼馴染みに襲われた。

優しくて、一緒によく遊んでた幼馴染みの男の子が二年前の夏。

その男の子の家に遊びに行った日、にあたしに襲いかかってきた。

そう。さっきみたいに、コードで手首を縛られて、無理矢理犯された。

その数日後、幼馴染みは引っ越していった。

二年経った今。

男子とも普通に喋れるようになって、

最近では襲われた事の記憶も薄れてきたばっかりだった。

なのに、さっきのでまた鮮明に思い出してしまった。

「っうぅ…っ…ひっく…」

ポタポタと涙も溢れ出てくる始末。


神原 卓。

女グセは悪いと有名。

だけど、そんなに酷い人じゃないと思っていたのに…

そう思いながら立ち上がる。

…ドサッ

そして、ベッドにダイブして、声を殺しながら泣いた。


あたしはいつのまにか、寝てしまっていたらしく、目が覚めたら朝だった。


チラリとベッドの傍にあった鏡を除き込むと……

「……最悪。」

そこには酷い顔した自分が…

いや、ホントに自分か?って思う程、酷い顔した自分が映っていた。

泣き腫らした目元。

髪の毛を乾かさずに寝てしまったから、ボサボサの髪の毛…

これは、やばいな…。

どうにかして、メイクで誤魔化さないと。

そして、あたしは自分の顔と睨めっこしながらメイクをし……始める前に顔を洗いに行った。


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