
〜Strawberry JAM〜
第6章 矢神純希
『あ?勝手に決めんなよ。』
「あ、ごめんなさい。」
『あぁー矢神くん!お疲れ様!
今夜もどっか行こうか!』
私がそのままのテンションで
夕食の提案をすると
それを矢神さんが一蹴した。
すると背後から先ほどまで撮影をしていた
監督が矢神さんに駆け寄り声をかけた。
『すみません。明日撮影終わって戻ってからも
向こうで仕事あるんで、今日は休ませてもらえますか?』
『あぁーそうか!それはすまないね。
じゃあ、また明日。』
『はい!よろしくお願いします。』
「お疲れ様でした!」
矢神さんはアイドルスマイルで監督の誘いを断り
帰る支度を始めたので、私は車を用意した。
『おい。』
「はい!」
『お前、寿司食いたいんだろ?』
帰りの車中、矢神さんは私にそう言った。
「北海道はお刺身が美味しいですからねぇ…。
あ、でも矢神さんの言うとおり、明日の仕事は
残りの撮影だけじゃないですもんね。
私も早寝して明日に備えます!」
『俺の部屋番わかるよな?
出前で良けりゃとってやるから、来いよ。』
「え!いいんですか?」
『あぁ。』
「(やったー!
矢神さん、口調は冷たいけどやっぱり優しいな。)」
そう思いながら、私たちは宿泊しているホテルへ戻った。
