不良の道
第4章 兄貴と…
[はや…と]
耳元でボソッと名前を呼ばれる。
そんな事されると……
[………颯斗、顔真っ赤…]
[うっ、うるせーよ!
兄貴があんな事するからだろ!!]
俺はとっさに顔を横に向けた。
これ以上、兄貴に顔を
見られたくなかったから
恥ずかしくて死にそうだ…
あーくそ!
心臓の音がうるさい!
兄貴に気づかれるだろっ
[なぁ?颯斗]
兄貴が俺に話しかける。
今は話しかけるなよっ!
必死に胸を押さえて兄貴を見た。
[な、何だよ?]
[襲っていいか?]
[はぁ?ごめん。
よく聞こえなかった。もう1回言って]
『襲っていいか?』って言ったような気がする……
いやいや!
兄貴がそんな事言うはずねーよな