Principem auro
第4章 金色の少女
「時にアリア殿。
どうしてこの国が周りから手がかかるか…
わかるかい?」
「この国は小国ながら豊かな国土と、自然を持っています。
それに、国の人々が反乱を起こすことなく、平和が続く国など他にはないから、ではないでしょうか。」
アリアがそう答えると王は満足そうに頷いた。
「うむ。その通りだ。
この国を狙うものたちは何をするかわからない。
だからこそ私たちが国民を守り、国民に私達が守ってもらうのだ。」
「私達も守ってもらうのですか?」
「そうだとも。私たちは国民が協力してくれるから生きていられる。
食べ物一つだって国民のお陰だ。
共に戦う兵士だって国民だよ。
だからこそ私達は国民を守るために生きるし、それ以上のことを望む必要はない。
そのことを忘れてはいけない。わかるね。」
「はい。決して忘れません。」
王は力強く頷いた。
「それから貴方はこの国の王となる。
王となる間はみんなを平等に愛し、守ることだ。
このことはこれからわかるだろう。
ゆっくり考えていきなさい。」
アリアはそのことには無言で頷いた。
アリア自身がこの王の言葉を理解するのはこれから数年後のことだ。