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未成熟の成長

第1章 ナタリー


一日目<八雲>



今日は平和である。
どのくらい平和かというと、小学生である我々がプリンをとりあってじゃんけん出来るくらい平和である。

30分前の社会の勉強で第一次世界対戦とかいう難しいことを習ったばかりなのに、それでも我々は呑気なのだ。

「八雲、何難しそうな顔してるの?」

「何でもないのだ。ただ、プリンが美味しそうだなぁって考えていたので」

「男子のじゃんけんに女子は混ざりにくいからね」

「そんな女子っぽいこと言わなくても、ゆかりは十分可愛いから大丈夫なのだ」

「そんなことな、い、よ?」

照れている。
これだからゆかりは可愛いのだ。
出来ることなら鎖で繋いで監禁して、ペットにしたいくらい可愛い。
とか、そんなことは別に思わなかったのだよ。

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