未成熟の成長
第2章 コンクリート
「そんなに、忘れるはずはない。適量だったらね」
ナタリーさんは、独り言みたいに言う。
これ、なんの薬何だろう。
私が貰ったのかな。
口に入れて、カリッと噛み砕く。
甘くて、少し苦い感じ。
これ、あれだ。
ほろ苦いっていう奴だ。
「ごめん。私じゃ八雲は、助けられない。だから」
「私に手伝ってってこと?」
「そう」
ナタリーさんは髪をさらって、後ろにやる。
艶やかなのに金髪で、美しくて、何かずるい。
私の頭のなかは色々ぐちゃぐちゃしてきた。
八雲は休みだった。
ナタリーさんは理由を知ってる。
昨日のこと、八雲のこと。
八雲、今どこにいるの?
明日は学校に来るよね?