未成熟の推察
第1章 ミク
コーヒーはサスカフェ。
黒木はこのメーカー以外飲まない主義だ。
サスカフェを淹れながら、匠は考える。
三枚の写真を並べ、もう一度考える。
この三人の共通点はなんだろう。
出身地、仕事、親戚、星座、血液型、髪型……
可能性として高いのはやはり仕事の繋がりだろう。
津田さんに恨まれるくらいだ、数十人殺していてもおかしくはない。
とくにこの雪男(仮)は、やばそうな気がする。
そもそもこいつ人間なのか。
左に視界を移し、さらに熟考する。
この少女はどこかで見かけたことがある。
だが、詳しくは思い出せない。
明るい街、酒、ネオン、何処だ?
「終わった」
「びっくりさせんなよ」
「させてない。あいつ、強い。鎮静剤も、打っておいた」
「妥当な判断だ。あの爺はくせもんだよ」
「依頼の、話を、聞こうか」
黒木は血だらけの白衣をゴミ箱に捨てた。
「コー…」
「淹れてある。ほらよ」
「うむ」