未成熟の推察
第1章 ミク
「という訳なんだ」
「なるほど、あの女。相変わらず、暴力が、好きだな」
「今に始まったことじゃないさ」
黒木は一枚の写真だけをじっくりと眺め、やがて思い出した。
「このマダムは、知っている。最近できた、クラブに、よく、通っている。ここの、刺青、見たことが、あるぞ。知っている。知っている」
「お前がクラブに言ってたなんて初耳だぞ。まぁ、それはいいか。で、どこのクラブなんだ、それは」
黒木はサスカフェを口に含み、勿体ぶる。
「ジャンキーパーティー」
言った瞬間に後悔したような、恥ずかしいような顔をする黒木。
匠はクラブに行くことなど滅多にないが、その名前だけは知っていた。
知る人ぞ知る、全裸クラブである。