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えっちな文藝部の活動報告書

第5章 官能小説の芸術性

「ちょっと戻って嗅覚だけど。嗅覚は視覚聴覚に比べると劣るとは思うの。えっちな匂いなんて難しいもの。
ただえっちな味と違い、えっちな匂いというものは存在はしてる。例えばこないだの如月君のおちんちんの匂いや精子の匂いなんてのはえっちだったわ」

「真面目に聞いて損しました」

「ちょっ……ちょっと待って! ごめんなさい、今のは余談」

「……今のは余談ではなく『セクハラ』っていって訴えることが可能なんですよ?」

「えっちな匂いってのは何もそんな卑猥なものでなくてもいいの。例えば汗の匂いだったり、シャンプーの漂う髪の匂いだったり、香水の匂いだったり……直接性的な匂いじゃなくとも性を連想させる匂いなの」

「なるほど……野路菊先輩のパンツ見たり、先輩の喘ぎ声聞くよりは興奮しないけど、先輩の髪の匂いも確かにエッチなことを思い出させますね」

仕返しにセクハラ返しをしてやる。

「でしょ?」

しかしさらっと返され、セクハラした俺の方が逆に恥ずかしくなる……

恐るべし、野地菊雪美っ!!

「へ、変態比呂志っ!! 最近キャラが変態になりつつあるからね、あんた!」

「さてそこで2人に質問です!! えっちな小説は五感の何に当たりますか!?」

「ちっかちっかちっか」と制限時間カウントらしい効果音を野路菊が口ずさむ。

彼女らしい昭和臭を漂わせる効果音だったが、あえて突っ込まない。

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