テキストサイズ

えっちな文藝部の活動報告書

第5章 官能小説の芸術性

「そりゃ……視覚じゃないですか?」

「みずほちゃんは?」

「知らないわよ、色魔!!」

「ぶっぶー! 外れです。正解は--」



「五感にはありません」



「はぁ!?」

俺とみずほは同時に怒りを帯びた声を出した。

「視覚によるエロっていうのは見たまんまのえっちさなの。説明の要らないえっちさ。如月君もおっぱいやらパンチラを見たら、無条件で興奮するでしょ?」

「はあ、まあ……」

「だけど官能小説の文字列をパッと見ても興奮はしない。あくまで内容を読んで興奮するの。文字列だけで興奮するなら国語の時間にオナニーはじめちゃう生徒が続出するわ。
国語の授業のあとは臭いから窓を開けて換気しなくちゃいけなくなる」

「いちいち下らない解説は要らないのよ、野路菊」

「つまりは読んで内容を想像して、興奮する。それは文字そのものに興奮するのではなく、読んで想像する世界観で興奮するの。
えっちなDVDが受動的な興奮ならば官能小説は能動的な興奮といえるわ」

「うーん……まあ、そうなのかなぁ……」

納得出来るような、出来ないようなような話だ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ