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なななの短編♪

第9章 読み切り『寡黙男子』

「私に触りたいとか…思う?」


「うん」


「っ…わっ、私といて楽しい…?」


「うん」



じゃあ───



「私と別れたい?」



「ううん」



っ……



うん、以外の言葉を聞けたのが…

ちゃんと考えて返事してるのが分かったのが…


すごく驚きだった。



「亜紀乃…?質問終わり?」


「……うん」


私が返事すると、
学はそっか、と返事をして、再び本を読み出した。



………そっかじゃないよっ!!



もぉ…本当にペース掴めないしっ…何考えてるか分かんないしっ…!!


結構私今頑張ったんだけどっ…!!


「ならどうして…っ」


「なに?」


嫌がるでもなく、また普通な顔して学は私を見る。


「触りたいなら…どうして私に触れないの?
キスしたいならどうしてキスしないの?
好きなら……どうして好きって言ってくれないの…?」


私すごいうざい…


付き合って“もらってる”身分なのに…


でもやっぱそれじゃ嫌なの…


それじゃ…恋人じゃないでしょ?

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