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なななの短編♪

第9章 読み切り『寡黙男子』

「亜紀乃…」


学はそう私の名前を呟きながら、身体を私に向けた。


「………それって、いつ亜紀乃に実行していいの?」


「は…?」



質問の意味が分かんない。


顔から読み取ろうとしてもそれは不可能な話。


「意味分かんない…どゆ意味?」


「触ったり、キスしたり、好きって言ったり、それっていつすればいいの?」



いつって…


やっぱりバカにしてんのかな?とか思うけど…

そんな様子はない。


本当に表情読めないって調子狂う───



「そんなのっ…そうしたいって思ったときに決まってんじゃん…っ」


真面目に答えるのも馬鹿馬鹿しい…



やっぱり、学はそんな私を見て影で笑ってるんじゃないだろうか。



「それって、ずっとってこと?」



………………今、サラリと彼はすごいこと言ったような…


「学は…ずっと…そんなこと思ってるの…?」


そう質問すれば、


「うん」



彼はそう当たり前のように返事をする。

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