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なななの短編♪

第9章 読み切り『寡黙男子』

顔が一気に熱くなった。


やっぱりっ…

今、学サラッとすごい歯の浮くようなセリフ言ったよね?ね?


どうしよう…





すごく舞い上がってる───


「……学が…っそうしたいって思った時…そうしてほしい…」


「亜紀乃…」


あ…

今、すごいいいムード…。


ドキドキ心臓が鳴ってるのが分かる。


学の手がゆっくり私の方に伸びる。


黒ぶちの眼鏡が反射して…彼の瞳が前髪から覗いた



ついに…


学とキスする…


私がゆっくりまぶたを閉じようとすると


「ゴミついてる」


────へ?


学はそう言って私の髪からゴミを掴んだ。



有り得ないっ…


期待させた学もっ…


期待した自分もっ…


すべてが嫌だ───



もう知らないっ!



私はギュッと目を瞑ってうつ向いた。



………唇に…熱を感じながら…


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