
不思議の国のお姫様
第1章 はじまり
「ねー、あなた、名前なんてゆーの?」
「俺は、白兎だよ。白兎のトーマ」
「トーマって呼べばい?」
「もちろんっ」
「じゃあね、なんでうさ耳はえてるの?」
トーマは自分の耳を触りながら
「だってここは、不思議の国だからね」
「不思議の国?」
ニコリと笑ってみせた彼は
遠くを指さし
「あそこに、大きな扉があるだろう?」
姫花指の先を目で追い
その扉を見た
自分の身長なんでこめつぶのよーに、
その扉はとても大きかった。
「あれ何」
「不思議の国への入口(笑)」
