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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

始業五分前、ミカが教室に戻ってきた。

「ミカ」

「何?」

「次朗くんの連絡先、聞いた?」

「聞いてないよ」

「そっち行かなかったか?」

「なんで?来ないよ」

あれ?
ミカの所に行ったんじゃないのか?
それとも百瀬の手前、
交換したとは言えないのか?

「ちょっと!香田いい加減に
 次朗くんの連絡先、教えてよ!」

「私も知りたーい!」

「あたしもぉっ!」

百瀬を筆頭にクラスの
女子たちが群がってくる。

「香田モテモテ~」

「羨ましいなぁ」

ダチが冷やかしてくるが…

「この状況のどこがそう見えるんだよ」

…はぁ

「だぁからっ!自分で聞けよ」

って言いながら、次朗さんが百瀬に
連絡先を教えなかった事に安堵していた。


ん?

ポケットの中で、
着信を知らせる振動。

お、早速。

次朗さんからだ。

『昼調理準備室集合』



…読みづらい。


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