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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

「隠土先生
 神鳥の事、どうなってるんスか?」

「…」

「兄さんがね、もっと
 ガンガンいってくれれば
 怪我させる事はなかったよね」

次朗さんが冷ややかな目で見る。

「懲戒免職かかってますからね。
 簡単な事ではないでしょ。
 …とは言え人類の危機ですからね」

フォローしつつ、
ザックリ追い詰める松井さん。
その通りだ。
こっちは人類滅亡を阻止するという
大きな目的があるのだ。

懲戒免職が怖いとか
んな甘い事を言ってる場合じゃない。


「兄さんは懲戒免職よりも
 かんちゃんが月子の記憶を戻す事、
 そのものに引っ掛かってるんだよね。」


…そっか

月子が何故、死んだのか
その事には悲しい経緯があるのだ。



「記憶を戻すって事は
 彼女を再び絶望に追い詰めるって
 事だからね。」

「そうっスね」

…そこを考えれば
隠土先生はやはり、 
優しい人なのだと 改めて思う。

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