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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

「隠土先生
 俺も出来る限り協力します。」

「香田 …ありがとう。
 けどお前、受験生なんだからな。
 そっちの方は大丈夫か?」

「大丈夫です。俺の事は
 心配いらないっスから。」

「香田君、ずっと学年トップなんだよね。
 次朗さんにしごかれながら、
 凄いよなぁ…文武両道」

「そうなんだ!
 凄いな、香田」

松井さんと隠土先生に
感心されてしまった…照れる。

「俺、良いこと思いついた!」

何か一人で考え込んでいた次朗さんが
突然声を上げた。

「アナタの言う“良いこと”は
 本当に良いことだった試しが
 ありませんよね」

松井さんが冷たく放つ。

「そんな事ないでしょ。
 けどこれなら、かんちゃんが
 他の子に取られる事はないよ。
 俺も煩わしさから解放されて
 一石二鳥」

次朗さんがにこやかに言う。
煩わしさから解放?なんだろ…?

「お前が、何かするのか?」

隠土先生が、嫌そうな表情を浮かべた。
まぁ確かに、
俺も少し嫌な予感がしてきた。

「俺がね…」




事実、予感は的中し
事態は益々混乱する。






俺や隠土先生が案じた点

特に大きく巻き込んだのは
ミカの気持ちだ。


*…*…*…*…*…*…*

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