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「再会」と呼べる「出会い」

第10章 文明の利器

リョウ君に頼った事で、
寧ろリョウ君自身を
傷付ける結果になってしまった。

ごめんね

本当に、ごめん…。

けど謝ったところで、
益々辛い思いをさせてしまいそうで


「…もうあの事は、
 気にしなくていいから」



精一杯の笑顔でそれだけ伝えた。



今朝電源を入れた携帯に、
優司くんからの着信通知が
いくつも入っていた。

私はそのどれにも返信出来ない。

この間までのように、
無視を決め込むわけにもいかない。
そんな事、出来ないっていうのが
十分 分かったから…。


ひたすら締め付けられる胸の痛みから
解放される日は来るのかな…。

そんな事、
自分から何か行動を起こし
事態を好転させるまでは訪れっこない。

けどどうしたらいいの?

どうしたら
優司くんは私を解放してくれるの?




「おっはよーーっ」

次朗くんが明るい笑顔で
うちのクラスに飛び込んで来た。


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