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「再会」と呼べる「出会い」

第11章 お仕置きとケツ叩き

『進路相談室』は
職員室の斜め向かいにある。

木瀬は相変わらず、
石山の名前を呟いている。
次郎に余程
怖いものを見せられたようだ。

サッカー部に関する噂

こないだ香田に聞いた、
佐伯の彼氏に関するものと
どうやら関係がありそうだ。


…木瀬

こいつ、
図書室で佐伯に迫ったらしいが
佐伯が付き合ってるのって
こいつの部の先輩だよな。
有り得ねぇだろ、
先輩の彼女に手を出すとか。


「校長! 木瀬 …?
 話せる状態ですか?これ」

「問題無いわ」

相談室には教頭先生が待っていた。

一応、騒ぎになる事を想定して、
相談室に入るまで
水の膜は解除しなかった。

「隠土先生、ちょっと木瀬君を 
 スッキリさせましょうか。
 何か飲み物、用意してくれる?」

「はい」


校長先生の意図を察した俺は
給湯室に入ると
湯のみを三つ用意した。
二つには普通に、煎茶を淹れる。
もう一つには
俺が水守の力で練り上げた
浄化作用のある水を淹れる。

悪夢に捕らわれた頭を、
これでスッキリさせる事が
出来るだろう。



「木瀬君、これを飲みなさい
 楽になるから」

校長先生が木瀬に優しくそれを勧めた。

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