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木瀬はガタガタ震えながら
両手で湯のみを持ち、
中身を飲み干した。

「…っはぁ…！　　　

　…あれ？」

「木瀬、大丈夫か？」

「教頭！先生？
　俺いつの間に…？」

木瀬は無事、正気に戻ったようだ。

「さ、始めましょうか」

ニッコリと校長先生が微笑む。


「木瀬君、石山ユリカさんに
　何をしたの？
　…石山さんだけじゃないわね
　他にも卒業生を入れて何人か」

「…俺じゃない
　あれは優司先輩が　…」

「優司って…　井崎優司か？」

佐伯の…

「やっぱ金持ちって考え方が
　違うっつーか…」

「遠まわしするな！
　木瀬、井崎優司がどうした？」

俺は思わず身を乗り出した。

「あれはそもそも、
　優司先輩が始めた事で…
　付き合ってる女に別れて欲しくて
　だけどなかなかそれが出来なくて
　嫌われるには
　どうしたらいいかって」

「…」

俺達は静かに、木瀬の言葉を待った。

「部室にその女連れてきて
　『お前等に貸してやるよ』
　って…　無理矢理女の服を」

「その、女生徒の名前は？」

教頭先生が表情は厳しく、
口調は静かに聞く。

校長先生は石山ユリカ以外にも
被害者は何人かいると言っていた。


「…けど、あいつの場合、
　あんま気にしてねーみてぇだし。
　寧ろお互い楽しんだっつーか
　…ぅ」

「木瀬君その子の名前　は？」

木瀬が蛇に睨まれたカエルのように
表情を強ばらせた。

睨んだ蛇は、校長先生

「…百瀬です」


え