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「さぁ
　身体を乗っ取られる
　人間っていうのは
　元々己に弱い部分があるからなのよ
　
　この子も根本を正してあげないと
　別のものに
　また取り憑かれるかもしれないわ」


「そうね」

校長先生が静かに呟いた。

根本か。
何か悩みを抱えていたんだな。
一体どんな悩みだろう。

俺は悪夢に苦しむ百瀬の額に
手を当てた。

元凶の憑き物はとれた。
百瀬が佐伯に
何をしたかは知らないが
もういいだろう。



「さて　そろそろいいかしら
　私戻らなきゃ」

「梅ちゃん
　大事なことを聞いてないわ
　ハクアが百瀬さんに
　吸精鬼を憑けた経緯は？」


「男よ」


「男って…？」

「こんなところに憑けるなんて
　男以外ないわ
　名前？　　

　…確かイサキ…」


イサキ…　　　　？！



「井崎って」

「若い男よ
　鋭い目つきで
　
　この子もハクアに
　身体を自由にされてるみたい」

「下の名前は…？」

「ユウ…　　　
　あらやだ　何だったかしら」





再び背中に悪寒が走る。



百瀬に吸精鬼を取り憑かせたのが
もし、井崎優司だとしたら…。




佐伯は大丈夫なのか？？

次朗はこの事に気付いているのか？