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「再会」と呼べる「出会い」

第16章 それは襲い来るもの

「こちらこそ
 指導が行き届かなかったこと
 深くお詫び申し上げます」

校長先生が丁寧に頭を下げた。

「いやいや
 こういうのは親の責任でも
 ありますから
 …少し 甘やかしすぎました
 本人のたっての希望で
 一般の公立高校に入学させたが
 まさかこんな事態になっているとは…」


百瀬はただ、俯いている。


「少し環境を変えた方が
 本人の為になるかもしれない」

「百瀬さん
 こちらでもお嬢様には
 カウンセリングを受けられるよう
 用意しております
 高校生活も残りわずかですし」

「いえ
 実は私の弟が
 イギリスの方に行っておりまして
 海外で学ぶ機会を得ると言うのも
 これからを考えれば
 必要になってくるでしょうから」

「…そうですか」

「それでは
 何か決まりましたら
 こちらの方から
 ご連絡を差し上げるように
 致しますので

 …私は次の約束がありますので
 これで

 行くぞ エミ」



そして百瀬は
父親と共に黒塗りベンツに乗り込み
帰っていった。


しかし
大手建設会社の御曹司だけでなく
官僚のご令嬢までいたとはな。
…凄いな。

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