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「再会」と呼べる「出会い」

第16章 それは襲い来るもの

「はぁ…」

百瀬とその父親を見送った後
残された先生達は
タイミングを合わせたように
大きなため息をついた。

「これが最善策でしょうな」

生活指導の先生が
苦笑を浮かべた。

「ですね
 …しかし責任感じます
 私には見抜けなかった」

百瀬の担任、久保先生が
悲痛な表情を浮かべた。


「校内での淫行が
 二度と起きない様に
 対策を練らなければと
 考えていた矢先ですからな」


教頭先生が頭を抱えた。



「何も知らない生徒達への
 影響も懸念されます」


校長先生は
窓の外を見ながら呟いた。



…確かに
今回のことをきっかけに
露呈することも、
またそのせいで苦しむことになる
生徒も出てくるかもしれない。



「大人と子供
 境目にいる彼らをいかに守るか
 … 大きな課題ですね」

「そうですね」





具体的な対策、指導については
職員会議で話し合っていくことになった。

きっと解決に向け
一歩ずつ前進していくに違いないと思う。

短期間の付き合いではあるが、
この学校の先生達は
生徒のことを思っている
のがよくわかる。


ただ
問題は今回のように、
本来あるべきではない要因が
関わること。

吸精鬼を百瀬につけた
ハクアと井崎の関係が一体何なのか。


…佐伯への影響はあるのか












放課後になっていた。

それぞれの部活動は
すでに始まっている。


うちの料理部は
今日から体験入部だったな。

大丈夫かな。




「部活指導へ行ってください
 続きは明日以降
 みんなで話し合いましょう」

校長先生の一言で
俺達は進路指導室を後にした。





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