テキストサイズ

「再会」と呼べる「出会い」

第16章 それは襲い来るもの

「お疲れ様です
 暗くなったから
 気をつけて帰るんだよ」

「あ!
 お…っ お疲れ様です!」

声をかけてきたのは
さっき外で血まみれで
倒れていた
用務員のおじさんだった。

「良かった…」

私は胸を撫で下ろした。

「校舎だけじゃなく
 傷つけられた人も
 元に戻ったのね」

「そう
 さっき君らが抉った
 土手も
 今頃は元通りだよ」


隣を歩く次朗君が
窓の外を見ながら言う。




私なら記憶も戻ったし、
襲われても大丈夫だからって
断ったんだけどね。
一応心配だからって
送ってくれるらしい。


…っていうか
どっちかって言うと
ハル… 隠土先生の方が心配なんだけど。

隠土先生は
松井さんと香田先輩が
一緒に帰るんだって。


…正直 一緒に帰りたかったな…


住んでる方向、
反対なんだもんなぁ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ