無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「こうなりたいか？

　いわれたことだけ
　すればいい
　下等生物メ」



　…　グ　　イ


「う」




後ろ襟を掴まれた。


「離せ」

「いや！！！」

「この女の首を
　同じように
　飛ばされたくなければ
　離せ」




…




私はエミを離した。




力なく
エミが床にこぼれ落ちる。


「エミ　…
　なんで？　どうして？
　さっき電話くれたよね？
　どうしたの？
　何があったの？」



「あーあれは
　お前を誘き出すために
　コイツの口を使ったのだ」


え


「これは非常に便利だ
　操作シヤスイシ
　効率よく
　精気を採取することが
　出来る
　クソ人間にしては
　十分にアタシの役に立つ」

「あなたが
　エミに吸精鬼を
　つけたの？」

「おーやおや
　ご存知だったか
　…では
　１体目をとったのは
　誰だ？　奴か？？」

「…」

「無駄な事を
　どうせまた何度でも
　取り憑くぞ」

「酷い!!!」





こいつだったんだ

エミを
こんな風にしたのは



「酷い　…
　フフン　
　お前この女を
　助けたいのか？」

「…」

「ではお前が代わるか？







　…まぁ　どうせ
　手遅れだ

　新たに吸精鬼を
　憑ける前　既に
　こいつの心は
　死んだも同然だった

　ここまでくれば
　使い捨てるのが一番

　コレ
　の為にナルノダヨ」


「そんな事ない!
　エミは戻れる!!
　本当の彼女に
　絶対戻れる!!」


あの頃の
エミちゃんに…！



「ナーンセンスだ
　お前は
　人間のくせに
　人間を知らないな

　堕ちるとは
　どういうことか

　心が死ぬとは
　どういうことか



　…続けろ
　まだ搾り取れる」


「やめて！！」

「…って言ってもな」
「もう縮こまっちまったぜ」


男達が
転がる首を見ながら
声を震わせる。

「お前達は」

倒れていたエミが
むっくり起き上がった。


「エミ！」

「搾り取られる側だ」

ハクアの声が
その場の空気を凍らせた。


「エミ!!」


エミが
ゆっくりと男達に近付く。

「…かわくの」

エミの声だった。




「エミ！！！！！！！


　…！」



　　　ボ　　コ



また
何も　見えなくなった。