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「何やってるんだよ？！
　逃げろって言ったろ!!」

「置いていけないよ!!
　優司くんもエミも」


自分だけ逃げるなんて
出来ないよ！

このまま
置いていったら
ハクアに何されるか
分からないもん。


「エミ
　いたのかっ？！」

「うん」



「無事だったか？！」


優司君の
尋ね方は必死だった。

私はうまく答えられず、
代わりに首を横に振った。

エミの
心を失ったかのような
表情を思い出し、
胸が苦しくなる。
まだあそこにいるのかな…。

また
助けられなかった


「マジかよ…　クソ!!」


優司君の表情が歪んだ。



「勝手な事
　しやがりまして
　お前には全く…」

ハクアがジリジリ
こちらに近付いてくる。


「こないで!!」

私は両手を広げた。

状況を把握できないけど
今はとにかく
目の前の優司君を守らなきゃ


「…その男も
　かばうのか？？
　お前は全く
　ガキのようなナリをして
　気が多い
　アキレルゾ」

ハクアが私を睨む。


「どうして
　優司君もここにいるの？」

「はーん
　さっき言ったじゃないか」

ハクアが
馬鹿にしたように
話し始めた。

さっき？？

あれ…


私は何となく
思い出してきて…



『一度は
　交わったというのに』



!!!!!!!!!!


私は優司君を見る。


「あの時の
　…もしかして」

「回路が繋がったか？
　下等生物に成り下がった
　水守の娘
　人間に生まれ変わるとは
　哀ればかり」

ハクアが溜息をつく。

この人(人じゃないけど)は
人間を馬鹿にしている。


「違う　あれは俺だ
　ミカごめんな
　本当に悪かった
　怖い思いさせて」

優司君が悔しそうに言う。


「…はずれではないが
　アタリでもない

　これはね
　私のイレモノだ」

「いれもの？？」


ハクアの指が
優司くんを指す。


いれもの？？

どういうこと？？