
「再会」と呼べる「出会い」
第19章 廃墟と花嫁
ヤバ…もう
「っ …ハァ ハァ」
限界かも…
その時だった。
少し先、
右側に覚えのあるドア。
これは…
閉じかかり、
やはり隙間が開いている。
しかし
先程のような声は
聞こえてこなかった。
私は恐る恐る覗いた。
「…」
タバコの匂いが
ユラリと鼻に入ってきた。
あの時、
物置小屋で嗅いだのと
同じような
メンソールの香り。
「大丈夫よ
入りなさいよ」
私はドアを開けた。
素肌に布一枚のエミが、
籐の椅子に足を組んで座り
煙草の煙を吐いていた。
先程の男達はエミの周りに
倒れて動かない。
仰向けになっている人の
顔を見ると白目を向いていた。
「その格好コスプレ?
似合ってるけど
随分汚れちゃってるわね
台無し」
「…エミ」
「メールは本当よ」
「…」
『伝えたい事があるの』
「捕まって
おかしな事に
なっちゃったけど」
吐き出た煙が
エミを囲むように舞う。
「捕まった…」
「好き好んで
こんな事しないわよ」
言いながら
煙草の先で
床に転がる男達を指す。
「エミ 逃げよう…!」
「無駄よ
分かるでしょ?
あれ人間じゃないのよ?
それに私はもう…」
「エミ ごめんね
私何も気付けなくて」
「気付いて欲しいとも
思ってなかったわ
だから気にしないで」
エミの口調は
淡々としていた。
「アタシ
これでも正気なのよ」
「嘘だ!
だってエミには」
エミには吸精鬼が
「…ごめんね ミカ」
「…」
「伝えたかったのは
それだけよ
流石に小屋での事は
やり過ぎだったわよね
後悔が
治まらなかった
ま だから
こうなったんだけど」
「あれは
エミに取り憑いた
吸精鬼のせいでしょ?
恨んでなんかないよ
今はただ
助けたいの…」
助けたいよ
「っ …ハァ ハァ」
限界かも…
その時だった。
少し先、
右側に覚えのあるドア。
これは…
閉じかかり、
やはり隙間が開いている。
しかし
先程のような声は
聞こえてこなかった。
私は恐る恐る覗いた。
「…」
タバコの匂いが
ユラリと鼻に入ってきた。
あの時、
物置小屋で嗅いだのと
同じような
メンソールの香り。
「大丈夫よ
入りなさいよ」
私はドアを開けた。
素肌に布一枚のエミが、
籐の椅子に足を組んで座り
煙草の煙を吐いていた。
先程の男達はエミの周りに
倒れて動かない。
仰向けになっている人の
顔を見ると白目を向いていた。
「その格好コスプレ?
似合ってるけど
随分汚れちゃってるわね
台無し」
「…エミ」
「メールは本当よ」
「…」
『伝えたい事があるの』
「捕まって
おかしな事に
なっちゃったけど」
吐き出た煙が
エミを囲むように舞う。
「捕まった…」
「好き好んで
こんな事しないわよ」
言いながら
煙草の先で
床に転がる男達を指す。
「エミ 逃げよう…!」
「無駄よ
分かるでしょ?
あれ人間じゃないのよ?
それに私はもう…」
「エミ ごめんね
私何も気付けなくて」
「気付いて欲しいとも
思ってなかったわ
だから気にしないで」
エミの口調は
淡々としていた。
「アタシ
これでも正気なのよ」
「嘘だ!
だってエミには」
エミには吸精鬼が
「…ごめんね ミカ」
「…」
「伝えたかったのは
それだけよ
流石に小屋での事は
やり過ぎだったわよね
後悔が
治まらなかった
ま だから
こうなったんだけど」
「あれは
エミに取り憑いた
吸精鬼のせいでしょ?
恨んでなんかないよ
今はただ
助けたいの…」
助けたいよ
